ボトリオコッセンと化粧品ビジネス
そして多様な用途の開発にむけた研究開発
Botryococcus braunii (ボトリオコッカス ブラウニ)が産生する炭化水素ボトリオコッセンの利用
緑藻ボトリオコッカス・ブラウニは群体性の光合成藻類です。ボトリオコッセンといわれる炭化水素を大量に生産し、その90%は細胞外に分泌して群体の細胞間に蓄積します。群体をつぶすとボトリオコッセンが放出されます。
当社では、筑波大学と共有の特許株である高温耐性のボトリオコッカスBot-22を透明のビニールバックで太陽光下で2週間程度培養して2g/Lの量の乾燥体を生産して、そこから有機溶媒で無色無臭で透明な炭化水素オイルであるボトリオコッセンを抽出・精製しています。
この炭化水素オイルはボトリオコッカスBot-22の光合成により吸収されたCO2から合成されたもので完全なGreen materialです。
株式会社デンソーではボトリオコッセンの保湿機能を角質水分量変化で評価し、スクアランと同等以上の保湿効果があること、さらに動物試験により皮膚に紅斑・痂皮や浮腫の障害をおこさないことを明らかにしました。また、化粧品大手メーカを上回る医薬部外品レベル全12項目で安全性を確認しました。これによりハンドクリーム「モイーナ」を開発し、2014年から販売を開始しました。
株式会社デンソーから炭化水素およびモイナブランドの商権譲渡
2022年2月に株式会社デンソーからMoBiolテクノロジーズに商権が譲渡され、さらに2023年7月にMoBiolテクノロジーズの解散決議に伴い、商権が当社に譲渡されました。
筑波大学との共同研究で水素化されたイオウを末端にもつチオールをボトリオコッセンに反応させることにより、ボトリオコッセンチオール誘導体を合成しました。 MoBiol ではこの誘導体は人体の疾患の85%に係る毒性の強い一重項酸素やOHラジカルを消去していくことを明らかにしました。健康サプルメントや医薬品への展開が期待されます。(特許出願中)